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うんぬん企画用
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目が覚めたら、見知らぬ天井が広がっていた。

そして自分は裸。


というパターンは、自分にとってはもうとりたてて騒ぐほどの事でもなんでもないごくありきたりな事だったので、こうなった経緯を覚えちゃあいない俺は、とりあえず一服しようと起き上がって、いつもとは少し違う現状に気付き眉を寄せた。

まず、となりに誰も居ない。
それから、煙草が手元にない。
脱ぎ散らかされた服もないし、それに、頭が痛い。

(酒は強い方なんだけどなぁ・・・)

頭を掻いて、うーんと首をひねり、何も思い出せない事だけ確認して、仕方が無いので、とりあえずもう一眠りしようかと考えた時、少し離れたところにあるソファーから小さな鼾が聞こえてくるのに気付く。

立ち上がり、ベッド側に背を向けているソファーを覗きこんで、俺は、アホ面で眠っている男と、俺の煙草を見つけた。
煙草はソファーの前に置かれているガラステーブルの上にあった。携帯と財布と一緒に。

回り込んで、箱から一本取り出し口に咥えて、煙草が湿気っていることに気付く。
そうしてようやく昨日雨が降っていた事を思いだした。
ここにいる理由と。

(外見に反して中々綺麗な家じゃねーか)

外からはボロアパートにしか見えなかった男の住まいは、壁も天井もそこそこ綺麗で、それなりに広く、あまり物の多くない部屋は、殺風景だと言ってもいいほど生活観が薄い。

(しかし、平和そうな面して寝てやがんな)

机の上に、吸殻の入って無い灰皿を見つけたので、それに灰を落とすと俺は、気まぐれに男の鼻を摘んだ。

「ふがっ」と男が小さく呻いて、俺は、気分を良くして笑う。
よく見ると男臭いが整った面だった。

「へぇー案外好みの面かも」

鼻を摘んだままキスでもしようかと考えて、そっと顔を近づけた所で、男の目が開いた。

「うわぁぁっ!」

目を開けたら、見知らぬ男の顔がすぐ近くにあったので驚いたのだろう。男は俺の顔をその大きな掌で払いのけると、ガバリと起き上がり

「うわぁぁぁッ!!」

慌てた様子で布団をかぶりながら、またすぐに横になった。

忙しい男だ。

その一連の動作が可愛いかったので俺はなんだかますますいい気分になって、煙草をふかしつつ男を観察する。

やがて、沈黙に耐えられなくなったのか、何かを観念したように、男は布団から後頭部だけをだした(なぜか男は顔をソファー側に向けている)。「うぅー」と小さく呻く声が聞こえる。色気は無いが可愛い。
それから溜息。
これには聞き覚えがあるな。と俺は思った。

「あのなーお前、なんで裸なわけ」

言いにくい事を言う口調で、けれども非難をこめた声で、恥ずかしそうに男が言う。
そう言われてはじめて、俺は、そういえば自分がマッパで煙草を吸っていることに気付いた。

「ああ。着る服がないから?」

別に今更恥じる事でもなかったので、俺は、煙草をもみ消しそう答えた。

「だからって・・・シーツ巻くとかベッドでジッとしてるとかあっただろ。朝からえらいもん・・・あ゛ー」

こちらを見ないようにしながら、頭を抱える男の動作は酷く可愛らしい。

「何アンタ、男の裸みたら感じちゃったりするわけ?」

「んなわけねーだろッ・・・!!あ゛ー」


(からかい甲斐のある奴)

こっちを向いてしまって後悔するように目を押さえている男を見て、俺は笑った。なんだか久方ぶりに温かい朝を迎えた気がした。
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