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うんぬん企画用
who:近藤さんが
when:土方さんが道場に入って間もない頃に where:道場から土方の家まで what:土方と仲良くなろうと、頑張る。(おしゃべりしながら帰り道を土方の家まで見送る感じでお願します…!!) &:「なんでも頼ってくれ」という近藤さんに、土方が無理な注文をする by nonoさま 日は傾きかかっていた。
何もかもを染めてしまおうとする赤い光は、並んで歩く二人の少年に黒く長い影を与え、側を流れる小川の水面に反射してきらめいていた。 大げさな身振りで自分に話しかける少年-近藤勲と言ったか。の話に適当な相槌を打つ土方は、この馴れ馴れしい少年を鬱陶しく思いながらも、どこか嫌いになれない事に戸惑いを覚えていた。同世代の少年と居てこんな穏やかな気持ちになるのは初めてだった。 けれども、土方はどこか釈然としなかった。 それは覚えたばかりのプライドのせいか、慣れない心持に警戒しているのか、自分でも解らなかったが、もやもやとしていてけして美しいとはいえない気持ちだった。 だから、自分をわざわざ家まで送り届けて、親睦を深めようと手を差し伸べてきた相手を、騙すような試すようなマネをしてしまったのだ。 赤い夕日が印象的な帰り道。 近藤は笑って言った。 何気なくとても自然に。 「何か困った事があったら言ってくれよ。なんでも頼ってくれ。俺たち友達だもんな」 心からそう思っているという風だった。 それで土方は思わず言ったのだ。 「これから行くとこがあるんだけど、ついてきてくれるか?」 近藤は頷いた。もちろん。というように。 そして実際についてきた。 だから重ねて言った。早く帰りたいだろうに。困らせてみたかった。 「用事が終わるまで、外で待っててくれよ」 それは、あまりに無邪気なお人好し面に、意地の悪い気持ちになって言ったものだった。30分も待てば馬鹿じゃあるまいし、からかわれたんだって事ぐらい気付いて大人しく帰るだろうと。 しかし、あの赤い夕日が空の彼方に跡形もなく消え、闇が立ち込める時間だというのに、土方の目の前に近藤は居た。 近藤のことなどすっかり忘れていた土方は、門のところでしゃがみこむ見込む影を見て、危うく大声を出すところだった。 なんでコイツはなんでまだこんなとこに居るんだ・・・ あれから3時間はたってるぜ。正気の沙汰じゃない。 なんか半べだし。 「お前な、何してんの?」 「な、何ってトシが待ってろって言うからっ」 だからって待つなよ。3時間もだぜ。 「馬鹿だろお前」 「だってよーお前と約束したもん」 「だからって・・・」 「約束ひとつ守れないのに友達だなんて嫌だろ?」 なんだよ。その嫌だろ?ってのは。そんなけの理由でこいつ待ってたのかよ。3時間だぜ。 あきれ果てる土方に近藤が今度は文字通り手を伸ばす。 「帰ろうぜトシ」 3時間も待たせた訳も聞かないで、恨みごと一つ言わないで、恐くて半べだったくせに、そんなことも無かったように晴々とした顔で。 あの時、伸ばされた手を取る以外の選択が自分にあっただろうか。 土方はふと思い出に浸って忍び笑いをもらした。 PR この記事にコメントする
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